鈴と小鳥とそれから私とサウナ

【掲載禁止】長江俊和 サイコホラーミステリ短編、どんでん返し5本勝負

サウナ探偵です。
長江俊和氏の「掲載止」を読んだ。
前に読んだ「出版止」に劣らず、どんでん返しの効いたサイコホラーミステリだったのでオススメしたい。

長江さんの小説は、テレビドラマの「本当にあった怖い話」とか「世にも奇妙な物語」のような、暗くおどろおどろしい雰囲気を醸しつつ、ライトに読めてしまう気軽さが良い。

核心に触れるネタバレは避けるようにしてるけど、以降は自己責任で。


著者について

Wiki 長江俊和 - Wikipedia

著者は長江俊和氏。肩書きが多すぎてなんと言ったらいいのかわからない。
テレビディレクター、ドラマ演出家、脚本家、小説家、映画監督、らしい。
本業は映像関係のようで、小説の登場人物もテレビ関係者やジャーナリストが中心。扱う題材は、新興宗教や、マインドコントロールサイコパス的な事件など、人の心理にフォーカスしたものが特徴的。なのかな?
映像作品は未見なので、見てみたいところ。


各話紹介

「掲載禁止」の話に戻る。「掲載禁止」は表題作を含め5作の短編集。
それぞれにつながりはなく、全部合わせても300ページの超お手軽小説。
それぞれ、50ページ程度でちょうどイイ塩梅のキレ味とエグみがある。

1話ずつカンタンに書いてみる。



原罪SHOW

ネットで噂されている、人の死の瞬間を見ることのできるツアー。死の瞬間とは事故か、殺人か、自殺か、参加するまでわからない。このツアーにビデオカメラを手に参加する女性ジャーナリスト。
バスで連れて行かれた山奥で彼女が見たものとは…?!


マンションサイコ

元彼が好きすぎて勝手に屋根裏に住む女。彼が仕事に行くと屋根裏から降りてきて、彼の帰宅前に屋根裏に帰る。
ある日、彼は1人の女を連れて帰ってくる。
声を押し殺し、天井に開けた穴から監視する女だったが…。


杜の囚人

とある家へ引っ越してきた兄と妹。仲の良さそうな兄妹に見えたが、実は兄は記憶を失った新興宗教の教祖だった。
妹を演じる美知瑠の目的は、人殺しも厭わない教祖の記憶を戻し、裁きを受けさせること。
全編ビデオカメラの小説版パラノーマルアクティビティ。
と、思ったら日本版パラノーマルアクティビティの監督だった。


斯くして、完全犯罪は遂行された

大学時代の元カノが15年ぶりに帰ってきた!元カノは芸術家気取りの能無しのバカに騙されて寝取られてた。やっとわかってくれたんやね!帰ってきてくれてハッピー!
でも彼女と一緒に住んで、毎日ご飯を作ってくれるようになってから、なんだか身体の調子が悪いんだよな。


掲載禁止

女性ジャーナリストが取材するのは「日本の品格を守る会」通称””品格会””代表の男。男はタバコをポイ捨てする若者を怒鳴りつけ、歩きスマホに体当たりし、電車内で電話する男のケータイを取り上げて投げ捨てるなどして””日本の品格””を守っていた。
事務所への取材を許可され、向かった下町の工場で彼女を待ち受けていたのは…?!



まとめ

カンタンに言うと、どれもヤベー奴の話。全員、ヤベーよ。サイコパスしかいねえよ。ハチャメチャ大混乱。キュアップラパパ。でも、たのしい。
実話と言われてもギリギリおかしくないさじ加減のヤバさに引き込まれる。

どれも叙述トリックが仕掛けられていて、最後に何転もするスピード感が堪らない。
長江さんの作品はほぼ間違いなくどんでん返しがあるので、驚かされたいというよりも、見破りたくなる。
1話あたり30分〜1時間程度で読めてしまう気軽さも良い。500ページの小説読んでつまんないとヘコむもんな。


「掲載禁止」はこんな人におすすめ

・どんでん返しをライトに楽しみたい
叙述トリック絶対見破るマン
・ヤベーやつの話が好き


「掲載禁止」はこんな人におすすめじゃない

・社会派ミステリー好き
叙述トリックにスパッと騙されたい




おわり。

掲載禁止 (新潮文庫)

掲載禁止 (新潮文庫)

出版禁止(新潮文庫)

出版禁止(新潮文庫)