いったい何が「来る」っつうんだろうな。
鬼才 中島哲也の最新エンターテインメントムービー
どうもサウナ探偵です。
鬼才 中島哲也監督の最新エンターテインメントムービー「来る」を感想がてら紹介しよう。
劇場に観に行き損ねたけどアマプラで無課金配信されてラッキーストライクやわ。
youtu.be本記事の画像は全てトレーラーからお借りしました。
中島哲也監督の作品は結構見てきた。特にファンというわけではないけど、気づいたら割と見ていた、という感じ。
見た作品は概ね以下のような印象。
・「渇き。」 →エンタメ全振りの見る麻薬
・「告白」 →めちゃおもしろ後味悪いさすが湊かなえ
・「嫌われ松子の一生」 →フォレストガンプ劇場
・「パコと魔法の絵本」 →謎オブ謎
・「下妻物語」 →ベルサーチ
わかりやすい脚本で楽しく見られる作品から演出と絵力で押し切る現代アート作品まで色々ある。
「来る」はどちらかというと演出全振りのエンタメムービー側。賛否両論ある系のやつ。
以下若干のネタバレがあるけど、本作に関してはほぼ問題ない。ネタバレを見たほうがワクワク感が増すと思う。
日本クソ行事クソ茶番胸糞パート
唐突に法事から始まる本編。妻夫木聡と妻の黒木華が妻夫木家を訪れる。建前しか言わねえ姑。暴れる親戚のおっさん。よくある嫁の居場所のないやつ。
そして回想シーン。妻夫木と黒木華の昭和的結婚式。引き出物はクソいらん新郎新婦プリント皿。よくある結婚式シーン。
そして子供ができてご懐妊ホームパーティー。サイコーの仲間とサイコーの家族。充実の日々。めっちゃイクメン〜とか言われていい気になってる妻夫木聡(馬鹿)。
この辺はガチでダルい。
日本のクソダルい茶番ファミリーシーンを寄せ集めたクソダルクソパートが続く。
もしかしたらこれはクソダルい映画なのでは?と不安に押しつぶされそうになる。見るもの間違えたか?と。
この茶番パートは後半の異種格闘技大会への布石となっている。日本の””表面的な儀式””をこれ以上ないほど軽薄に描いたパートである。
霊能力者さんたち大集合だワイワイ
後半、物語は唐突にアベンジャーズと化す。
本作の本領はここからである。妻夫木聡ファミリーが悪霊によってぶっ壊れてからがサイコーなのだ。
胸糞ファミリー映画から除霊ガチバトルへと変貌する。
主な見どころシーンをあげてみよう。
・沖縄ババア軍団余裕こいて爆死
・邪気を察知し分散して上京する強キャラジジイ
・ワイワイJKトランスフォーム巫女
・隻眼隻腕の最強霊媒師 柴田理恵
・除霊ガチ勢松たか子、助けを求める岡田准一をワンパンKO(除霊の邪魔なので)
これが
↓こう
神仏入り乱れの異教徒連合 VS 姿の見えない悪霊 の構図にワクワクが止まらん。
個人的にはここにキリスト教とヒンドゥー教あたりが入ってたら絵面的にメチャクチャ面白そうなんだけど、それは悪ふざけすぎだろうか。そもそも日本の慣しや儀式を描く本作の筋からは外れてるかな。
しかしこの中島哲也監督作品の急にバイオレンスになる感じたまらんよね。赤い血がピュー。
とにかく映画終盤は完全にお祭りである。いろんな宗派の霊媒師大集合のくだりで視聴者の映画に向き合う姿勢は180度回転する。前半のぐだぐだクソファミリームービーから一転、シンゴジラを彷彿とさせるテンポの良さに気持ちよくさせられてしまった。
この登場人物のクセの強さが中島哲也
この意味不明ストーリーを成り立たせるのはなんと言っても登場人物のクセの強さだ。このクセの強さが中島哲也節と言えよう。
カッケー姉ちゃん松たか子(キャラ立ち過ぎ)
一言しか台詞のない登場人物たちがここまで強烈な存在感を放つことある?JKとジジイが完全に持っていったわ。
そんで小松菜奈はやはりこういうミステリアスな役が似合う。「渇き。」とか超良かったよな。もう君は正統派美少女キャラをやるんじゃない。
妻夫木聡はヘラヘラした共感性欠如サイコパス役が本当にハマる。笑顔が怖えんだよ。
ずっと意味不明
元も子もないことを言うが、この映画、ゴチャゴチャ考えたら負けである。
あれは何だったんだとかここの説明がされないとか、そういう横槍は野暮というものである。込められたメッセージがあるのかないのか知らんけど、あったとしてもそれを全員に伝えようと思って作っていないだろう。全部わかりたいならドラえもんでも見ればいい。
本作は「何だかよくわからんけどワクワクする謎の感情」を楽しむ映画である。(と思う)
ずっと意味不明だけどそれでいい。
ジジイ、カッケー!柴田理恵、カッケー!でいい。
面白いかどうかと言われれば、別に面白くはない。
なお、原作ではもう少し何が「来る」のか深掘りがされるようだ。気が向いたら読んでみるかな。
でもわかんねえままでも別にいいや。考察とかする気はねえしな。
まとめ
話題の怪獣映画「来る」を紹介した。
御託はいいから見る方が早い。アマプラ入ってりゃタダで見られるんだから、2時間捨てたと思って意味不明のエンターテインメントを感じてほしい。まあ合う合わないはあるよ。
「来る」がおすすめの人
・シン・ゴジラ
・ガメラ3
・演出>>>>脚本
おわり。
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