ろくでなし
ろくでもない
くだらない
お話にならない
間抜け
便座並み
カス野郎
トンマ
うすのろ
羊羹並みの脳みそ
トンチキ連中
抜け作ども
しみったれた
うすら馬鹿
間抜けの親玉
ぼんくら
底抜けの馬鹿
根性曲がりのカス
インチキ野郎
間抜け軍団
脳たりん
カスみたいな
クソったれ
これ全部、本編で主人公が吐いた暴言です。
青春の生きづらさを暴言に全振りした名著
ども、サウナ探偵です。
村上春樹の「ノルウェイの森」を読むと、付随して読みたくなる本が3つある。
それは、「車輪の下」と、「グレート・ギャツビー」と、本作「キャッチャーインザライ(=ライ麦畑でつかまえて)」
どれも孤独な生きづらさを感じている不器用な主人公が、道を誤ったり病んだり死んだりする話。
この3つの中では本作「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が最後に読んだ一冊なんだけど、これが1番好きだわ。
暴言のバラエティがすげえよ。大変リリカル。
気に入ってるのは「羊羹並みの脳みそ」「間抜け軍団」「間抜けの親玉」「インチキ野郎」。
あらすじ
学校サボりまくってたら退学になったょ。
本当は水曜に家に帰るはずだったんだけど、同室のクソ共に嫌気がさして俺は寮を飛び出した。
まだ日曜。家には帰れない。退学処分になったことはまだ両親には伝わってないっぽいから。
だから俺は時間を潰すぜ。ニューヨークで。
酒を飲んで。タバコを吸って。女を買って。ぼったくられて。ボコボコにされて。人に迷惑をかけまくって。ほんで関わったカス全員をクソほど罵倒してやったよ。
お前ら全員バカだよ。そんでこの世はクソだぜ。
まあわかりますよ、その感じは。
10代の後半。このころはね、世の中の全てが気に食わなくてね。呪詛を吐きまくってね。
ああ、セックスね、ハイハイって空気感出しといて童貞なのとかね。
30超えてから読んで良かったわ。
こんなん中高生時代に読んでたらバイブルですよ。ほんでこじらせて一匹狼気取って取り返しのつかないまま大人になってたな。
おーこわ。
いまだからこそ、微笑ましさすらある。
中高生時代に読んでたのが大槻ケンヂでよかったわ。それは別に良くはねえか。全然よくはねえな。まるで。それはそれで。
このひたすらに強がってイキってる10代。見てらんないね。触れるモノ全てを傷つけるナイフやわ。
でもまあ俺もこいつと同じだったよ。ツイッターでイキってる中高生とか見るのキッツイもんね。自分が通ってきた道を見るようで。可視化されんのがキチィよ。
なんなら今でもその気がある。それは厳しいですね。非常に。
10代の頃から精神が安定してる奴ってなんかたまにいるけど、あれなんなんかな。2周目かな?それとも外に出さねえだけ?それでもすげえよ。
すぐ口に出ちゃうからさ。口が脊髄に繋がってんだな。欠陥だな。
キャッチャーインザライに共感できちゃった人は似たような気質かもしれないけどお友達にはなれそうもないです。
まとめ
キャッチャー・イン・ザ・ライ、ライ麦畑でつかまえて、古典だと思ってたけど、かなりいいじゃん。おもしろいわ。興味深い。インタレスティング。
村上春樹訳だから?全然翻訳モノの読みづらさがなかったわ。村上春樹は読みづれえのにな。
古典ってのはやっぱり味があるね。読み終わっても出てくるスルメ系の旨味が。
こういう読後の噛み締める旨みって娯楽小説だとなかなかないんよな。読んでる間面白えから別にいいんだけど。
むしろラノベの中のある種の作品にはこの手の旨みがある。
こう、物語のストーリーだけじゃなくて、思考が自分の過去現在未来に至るような小説ってのは名著だと思うわ。
おわり。