表紙の3人が手を取り合って猫耳族と人間が共存する国を作るよ!
松岡修造「そんなわけねえじゃん!」
ハンパねえ表紙詐欺
ども、サウナ探偵です。
出たよ。犬村小六先生の最新作。
白き帝国 ガトランド炎上
単巻ラノベの横綱「とある飛空士への追憶」とか最近だと「プロペラオペラ」とか、空中戦大好きなラノベ界の重鎮。
その犬村先生の最新作っつーわけですわ。
期待するなという方が間違い。
表紙の少年少女が仲良く平和な国を作る話
ではない。
なんたって『ガトランド炎上』だから。
なるべく致命的なネタバレは避けて感想など書いてみましょう。
あらすじ
かつて魔王の眷属だった猫耳族『ミーニャ』は、魔王が封印された後も交通の要所となるガトー島にガトランド王国を治めていた。1500年たった今でも、周辺諸国の人間はミーニャを魔物と見なし、対立が続いている。
そんななか、人間勢力トップの一人娘アルテミシア(美少女)がガトランド王国へ被後見人として送られてきた。攻撃の意思が無いことを証明し和平を築くためである。
ガトランド第二王子のトトはアルテミシアと家族として過ごすうちに、全ての種族が仲良く平和に共存できることが理想だという思いを強くする。
トトは妹の王女ルルやアルテミシアと共に、全ての光(種族)が混ざった『白き国』をつくることを目指した。
でもまあそんな話で終わるはずがなく
犬村作品といったら恋と空戦の物語。
トト「敵国の人質だけどアルテミシア可愛すぎワロタ」
異種族だけど力を合わせて平和を目指そう!
のはるか上空から原爆をぶち落として台無しにする怪作。
猫耳の子たちがクッソひどい目に遭う。
だって『ガトランド炎上』だから。
犬村先生、アンタに人の心はあるんか?
好きなキャラクターが退場しないことを願いながら読んでくれ。
しかしいやはや、大河ですね。大河。大河ファンタジー。
一巻全体が序章だよこんなの。何が始まるのかさっぱりわからねえよ。
読み始めて「こんな話になるのかな〜」っていう予想が全部どっかいった。
予想を裏切るとかじゃないのよ。
予想がどっかいった。
500頁読ませといて誰が主人公なのかもまだわかんねえってどういうことなんだよ。
まだ何も見えねえ
犬村作品を俺は全部読んでるわけじゃ全く無いのだけど、イメージとしては、「戦争を描くけれど主人公サイドは紆余曲折あって綺麗にまとまる」という感じだと思ってた。
一筋縄じゃいかないけども、切ないような、強く生きていくというような、希望を残すようなお話。
本作はもうそう考えたらクッソ邪悪っすね。
まだ先の見えない1巻だとしても、これまでの犬村作品のノリで読み始めた人は最後ぶん殴られると思う。
プロペラオペラの浮遊圏の設定も引き継いでるから、戦略面でも楽しみ。
浮遊圏の概念、天才すぎるんだよな。
海でも宇宙でもなく、空中で艦隊戦をやれる天才概念なんすよ。
静止できるタイプの航空機だから制空権のデカさが半端ねえんすよ。
ほんでこれから読むっつう人に絶対に言っときたいことがあるんだが、
挿絵をパラパラやるな
これです。
犬村先生が自らしきりにネタバレ配慮してるあたり、「最後に何かあるんやろうな」という空気は読む前から誰もが感じているでしょう。
安心してください。なんかありますよ。
ラノベ読みには読み始める前に挿絵だけパラパラ見る人種がいると思うんだけど、本作だけは我慢してほしい。
だってなんかあるから。
なんかありすぎたよ。
前半と後半の毛色が違いすぎるだろ…。
いろいろと衝撃はあったけど、やっぱり1番は
「いやよ」
これですわ。
「いやよ」の衝撃。
ページをめくった瞬間のな。
これもう実質「ヴァン・ダインです。」だろ。
しかもこれが中盤っつうんだから痺れるよ。
こんなんもう引きで一巻終わりでいいじゃん。
贅沢か。オイ。どこまで読ましてくれんの。
なにがいやよなのかは実際に読んで確かめてくれ。
おわり。