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【読書記録】「屍人荘の殺人」第27回鮎川哲也賞受賞作品 新手のクローズドサークルで起こる連続殺人

どうも、サウナ探偵です。
サウナ記事を書くのが楽しくてどうしてもサウナのことばっかり書いてしまう。けどとっても楽しい本を読んだので感想を書く。ことに。した。


今村昌弘氏の「屍人荘の殺人」を読んだよ。 ずっと読みたいと思っててやっと読了。これは面白いなあ。
王道ジャンルのクローズドサークルモノだけど、舞台が孤立する理由、その後の殺人への利用がすごく秀逸だった。
以下ちょっとネタバレ含むので、読む予定のある人とか予備知識入れずに映画見たい人は注意。








新手のクローズドサークル

ありそうでなかった設定がとてもいい。 クローズドサークルモノって、やっぱり基本は「嵐の孤島」「吹雪の雪山」「人為的な閉鎖施設」あたりで外界との連絡が閉ざされるのがほとんどだと思う。言ってみればクローズドサークルで「あること」が大事で、クローズドサークルに「なった理由」にはフォーカスされないのが常。

本作はその外界から閉ざされている理由のインパクトに唸らされる。

ゾンビに取り囲まれているのが理由でクローズドサークルとなっているのだよ。

簡単なあらすじを説明する。

あらすじ

主人公、葉村譲と先輩の明智恭介は、大学のミステリ愛好会の会員。彼らは同じ大学の有名な私立探偵、剣崎比留子に誘われ、映画研究会の夏合宿に参加することになり、紫湛荘(しじんそう)を訪れた。
初日の夜、肝試しをしていると明らかに様子のおかしい集団の襲撃を受ける。近くで開催されていたロックフェスでウイルステロが起こり、数千人の観客がゾンビ化していたのだ。
襲われながらも命からがら紫湛荘まで逃げ帰ったが、紫湛荘はゾンビの群れに取り囲まれてしまう。ケータイも全員圏外となってしまう。
こうして紫湛荘は、言わば屍人荘(しじんそう)となった。
ゾンビの脅威に怯える面々だったが、翌朝、合宿メンバーの1人が他殺体で発見される…。

屍人荘ってそういう…

新しくないのに新しい設定。今まで誰か思いつかなかったのか。
クローズドサークルモノは星の数ほどあるし、ゾンビモノも星の数ほどある。
ゾンビのせいでショッピングモールがクローズドサークル化するとか、よくあるよね
仲間割れで殺人が起こることだってある。

屍人荘の殺人がそれらと違うのは、犯人がゾンビのいる状況を利用して嬉々として殺人を進めること。

ゾンビを利用して人殺しちゃうよ。

そういうのもあるんだ。

「屍人荘の殺人」はミステリファン以外にもおすすめ

文章の読みやすさもいいし、全員キャラも立ってる。アニメ的な設定もあって普段ミステリを読まない人でも楽しく読めるんじゃないかな。
最後の消去法による犯人指摘は非常に鮮やか。キモティーーーーー!

非常にアニメ的、映画的な設定。
メチャクチャ映像映えしそう。映画化するんだけれども。

映画化もされるってよ

shijinsou.jp


12月13日(金)に公開とのこと。

主人公、葉村譲は神木隆之介。ヒロイン剣崎比留子は浜辺美波。
神木くんはハズレなくていいよね。Too Young To Dieも面白かったし。 浜辺美波に関しては、マジヲなので無条件で楽しみ。マジヲとはマジのオ以下略


映画『屍人荘の殺人』特報【12月13日(金)公開】

予告編見る限りだとコメディ色強めなのだろうか?
原作では学生と30歳前後くらいの人しか出ていなかったけど、出目と高木がおっさんおばちゃんになっててどんな仕事するのか楽しみでもあり心配でもあり…という感じ。
個人的にふせえりが出てると三木聡作品がチラついてコメディ感を感じてしまうんだな。
三木聡作品メチャクチャ好きやけどね。図鑑に乗ってない虫とか。

クローズドサークルモノの映画化っていうと、「インシテミル」の例があるから自ずと不安になる。
看板だけ借りた95%オリジナル作品だったからなあ、あれは。本当に面白くなかった。

映画「屍人荘の殺人」のあらすじを見ても原作と相違点が結構あるみたい。
映画研究会じゃなくてロックフェス研究会なのね。
ロック“”フェス“”研究会とは…?

すごく不安は大きいけどメチャクチャ楽しみでもある。複雑だ…!
とにかく12月が楽しみでござる。


おわり。


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