鈴と小鳥とそれから私とサウナ

【紅蓮館の殺人】吊り天井で殺された少女、探偵という生き方、山火事の山荘で起こる殺人事件

 



サウナ探偵でござる。
「紅蓮館の殺人」/阿津川辰海 を読んだので軽くレビューを。
軽いネタバレはあり。核心には触れないよう注意しています。




作者について

公式ページが無いようなので、とりあえずWiki

阿津川辰海 - Wikipedia

著者は阿津川辰海氏。
1994年生まれ。
2017年に「名探偵は嘘をつかない」でデビュー。
「紅蓮館の殺人」は3作目。
調べた感じだと、「名探偵」という生き方にフォーカスした作品が特徴のよう。
僕が読むのはこれが初めて。


あらすじ

「紅蓮館の殺人」のあらすじを簡単に紹介する。

勉強合宿中の主人公は、勉強をサボって有名ミステリ作家の住む落日館を訪ねる。
その道中、落雷による山火事に遭い合宿所に戻れなくなってしまい、落日館に泊めてもらうことに。
翌朝目覚めると、釣り天井に潰された孫娘の死体が発見される。
山火事で外部犯は考えられない。そして10年前の猟奇殺人事件との関連は?
生き延びるには、犯人を特定して危険を排除したのち、落日館のどこかにあると言われる秘密の抜け道を探すしかない…!


おすすめポイント

 

紅蓮館の殺人のおすすめポイントを紹介する。 
ピンと来た人は読んでみて間違いなし!

みんな大好き吊り天井

怪しい洋館。家具のない広い部屋。
何があるんだろうね〜。なんだろね〜。

そうだね、吊り天井だね。

※吊り天井とは…
ワイヤーなどで釣った天井。
ワイヤーが切れると人が死ぬ。
何のためにあるのかは、謎。

もうグッチャグチャよ。
若い女の子がグチャグチャに殺されるとかなしい…。
なんでそこまでする必要があるのさ…。
ちゃんと理由があるよ!そりゃあるよな!


山火事クローズドサークル

ミステリ好きはみんな言うよね。
「三度の飯よりクローズドサークルって。
俺は言わねえよ?
メシ食いてえから。

クローズドサークルとは…
吹雪の山荘。嵐の孤島。外部との接触を断たれた、閉ざされた環境。 
絶対に殺人が起こる。間違いなく殺人が起こる。

「紅蓮館の殺人」は山火事によってクローズドサークルになる。
登場人物全員怪しい匂いがプンプン。
この中に犯人がいるのか?!それともこの山火事の中を外部犯が?!
加えてカラクリ屋敷。秘密の抜け道。
みんな大好きなやつやん。 


名探偵という生き方

紅蓮館の殺人、基本的にはクローズドサークルモノのフーダニットなんだけど、多分メインテーマは「探偵という生き方」。
自分自身、サウナ探偵なのでこのテーマには非常に考えさせられた。嘘。

全ての謎を解いた果てに、待ち受ける結果。
良い結果ばかりが待ち受けるわけではない。
その辛さと無常を知った元美少女高校生探偵。それをまだ知らぬ現役高校生探偵
意思に反して謎を解かずにはいられない探偵という生き物。
知りたくもない真相に、本能レベルで気付いてしまうつらさ。

ミステリーでは当たり前のように存在し、普段は疑問も持たない「探偵役」にフォーカスして「探偵という生き物」「探偵という生き方」について考えさせられる作品になっている。



まとめ

「紅蓮館の殺人」、はっきり言って特に期待もせず、「〇〇館の殺人」というタイトルにつられて読んだのだけど、とても満足だった。
〇〇館の殺人というとやはり某巨匠のシリーズがチラつくけど、オリジナリティあふれる作品だった。

タイトルもそれっぽくて、それでいてカラクリ屋敷、秘密の抜け道までやっといて某シリーズに寄り過ぎていないのはアッパレ。
色んな話がとっ散らかって一個一個把握するのが大変だけど、きちんと最後にすべての伏線を回収してくれるので気持ちがいい。

つばさちゃん、いいキャラだったのにすぐ死んじゃって悲しかったなあ…。


「紅蓮館の殺人」はこんな人におすすめ

・カラクリ屋敷好き
・納得感のあるパズルあってこそ
・一気読み派


「紅蓮館の殺人」はこんな人にはおすすめできない

・名探偵の生き方とかはどうでもいい
・謎を解いて犯人を追い詰めるまでがミステリー
・偶然が重なりすぎるのは萎える



ちなみに「紅蓮館」という言葉は作中に一度も出てこない。



おわり。

紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)

紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)