クッソ暗黒小説
さすがは大賞だったわ
ども、サウナ探偵です。
「姫騎士様のヒモ」by 白金透 をご紹介。
これ、電撃大賞受賞作なんやけど、どうもタイトルとイラストの異世界ファンタジー感に惹かれず全然視界に入ってなかった。
特にタイトルの"""軽さ"""が受け付けなかった。
でも同じ回の電撃大賞で銀賞の「竜殺しのブリュンヒルド」とか「ミミクリー・ガールズ」はクッソ好きなヤツだった。
で、それより上かぁと思って手を伸ばしてみたところ、これが面白い。
なんですのこのタイトルの薄っぺらさ!あなたねえこれ全然軽くないじゃない!激重なんですのよ!(プンスカ)
さすがは大賞なんですのよ…
あとね、この先はネタバレがあるんですのよ…
あらすじ
町の嫌われ者、小汚い上に非力な大男マシュー。
町の人気者、パーティを組んで迷宮攻略に挑む亡国の姫君アルウィン。
絶対にあり得ない組み合わせの2人の関係は、養い養われる関係。
日々迷宮に挑み成果を上げるアルウィンの傍ら、もらった小遣いで酒場や娼館に通うマシュー。
とんでもないロクでなしのように見えるが、街で発生するトラブルの影には人知れず必ず彼が関わっていて…
みたいな話。
タイトルで損しすぎだろ
まずタイトルの話をしよう。
なんやねん「姫騎士様のヒモ」って!
姫騎士様……ウッ…ッ
ヒモ……うぎゃーーッ!!
(あまりの臭さに爆死)
臭すぎんだろ。なんなのこのいかにもなろうから引っ張ってきたみたいなペラそうなタイトルは!
中身全然ペラくないじゃんッ!!
えっ叙述トリック?
タイトルで敬遠してる俺みたいなヤツ(ラノベは読むけど如何にもラノベラノベしたやつは好きじゃないという斜に構えたイキリ逆張りクソ野郎)結構いるだろ。もったいねー。
ファンタジー世界だし俺TSUEEEEの一種であることは間違い無いんだけど、なんだろうね、このぐちゃっとした感情は。
暗黒オブ暗黒
暗黒なんすわ。
血がねぇ、流れすぎなんすよ。
暗殺を企てる組織、麻薬の密売人、町の悪人を成敗してんすよ。
全てはこの男がやりました。
亡国の姫君のヒモ、養われロクでなしのマシューさんです。
実は闇の勢力を叩く正義の味方です!
きゃー!かっこいい!!抱いて!!
あの、でもこの男、善人も殺すんすけど大丈夫そっすかね…。
全然正義の味方じゃねえ…
全然正義の味方じゃねえんだ。
無力なクズと見せかけといて実は俺TSUEEEで悪を挫くテンプレなろう主人公じゃねえんだこいつは。
彼は正義の味方じゃありません。
彼は亡国の姫君の味方です。
姫君のためにならないとなれば誰であろうと殺します。
数年来のお友達も、元カノも、カタギのお姉さんも。
一思いに、一握りで。
マシュー君の行動原理は全てが扶養者のアルウィン姫に向かっています。
なんで?惚れてんの?狂信?大義?
いや、わかんねえのよ
そう、わからないのである。
そこまでしてアルウィンの進む道を綺麗に掃き掃除しておく理由が。
マシューとアルウィンが出会い、ヒモとなる過程は描かれる。
どのように信用を得て、同じ事件を解決してゆくかが。
しかしそれだけがきっかけでアルウィンを全面的に支持することになるとは思えない。ましてや非悪人を排除してまで。
別に惚れてるわけでも心酔してるわけでも無さそうなのに。
麻薬に関わっている人、秘密を知ってしまった人を殺さないといけない論理はわかる。のだけど""""そこまでやる理由""""がわからない。
このあたりは次巻以降で語られるのかもしれんね。
まとめ
さすが大賞やね。
キャラクターがクセ強すぎて好き嫌いはあるのかもしれんけど、面白いわ。
きっちり回収する部分と次巻以降に残す部分の匙加減が絶妙で、"""1巻らしさ"""が素晴らしいですね。
すぐに2巻読みたくなっちゃってんのがその証拠。
すぐに3巻も出るからさっさと追いつくやで〜。
おわり。