そらつけられんやろ
これはよいラノベですね
ども、サウナ探偵です。
電撃大賞ってさ、俺はかなり信用してんだよね。
大賞作品はまずハズさないし、下位賞も打率高い。
その第30回の大賞作品がこれ。
魔女に首輪は付けられない/夢見夕利
電撃大賞の信頼度が上がる一作でござった。
一昔前のお作法通りの“””ラノベ”””って感じで目新しさはないんやけど、完成度が高くて一気読みだった。
これは良いラノベですよ。
おじさんにおすすめです。
お子さんにもおすすめです。
近年の大賞作品だとユアフォルマとか姫騎士様あたりに近い系列かな。刑事のバディモノとかダークヒーロー的な意味で。
魔術世界×犯罪捜査
それほど目新しさが感じられないってのも面白い。奇をてらうことを良しとせず、ストーリーは基本通り、少しの独自エッセンスって感じが近年の電撃大賞の傾向なのかな。知らんけど。誰お前。何目線なの。きも。おもしろけりゃ何でもいいよ。
貴族階級に独占されていた魔術が市民階級へ大衆化されると、犯罪が急増。禁書みたいなかんじやね?
その魔術犯罪を取り締まるための秘密組織が「魔女」で構成されている。
この世界では「魔女」とは犯罪者のことなので、その管理者として手綱を握るのが主人公ローグ。
という話。
結構シンプルな舞台設定。
だけど既視感はない。こんくらいがいいね。
キャラが魅力的
特筆すべきは選評の通りキャラに魅力があって納得感があること。
ラノベに限らんけど、キャラクターメイキングって大事だよなーって思う。キャラメイクにとってつけた感があると、途端に「作者の都合で動かされてる感」が出てきちゃう。
人間の行動として矛盾が出てきちゃう。
そういう性格のやつはここでそんな怒り方しねえだろみたいな。プロットの都合で性格ねじ曲げんなよみたいな。
そうなると閉じんのよ。おれの心が。
別にパズラーのミステリーだったら機械的に役割を植え付けるんでもいいんだけどさ。ヒス女枠とか、エセ知的君枠とかね。
でもそうでなければ物語ってのは基本的にアイデンティティの獲得(確立)、維持、危機、喪失、再獲得あたりのどれかに当てはまるわけで。人物像が重要になってくることには異論ないと思う。
そういう点で本作はキャラメイクが秀逸だと感じた。
特に修道服の聖女カトリーヌ。
これはいいキャラクターですよ。
こいつの存在で『魔女』の意味にマリアナ海溝級の深みが出てくる。
背景が必要以上に語られず、メインは主要人物のお話に終始するとこもいい塩梅ですね。塩梅がね、いいんですよ。いいです。
てかこれセカイ系の文脈じゃね?
無限に続きが出そうな感じやし次巻以降も楽しみですねぇ。
おわり。