鈴と小鳥とそれから私とサウナ

映画「ゴジラVSコング」感想&考察 いにしえの怪獣オタクの魂は解放されたのだ ネタバレあり



おひさまの下で大怪獣の殴り合い(最高)

f:id:krsw_lapin:20210717072318j:plain (C)2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

これだよこれ!!

ども、サウナ探偵す。見てきたよゴジラVSコング。遅ればせながら。

なんだよ…””サイコー””じゃねえか…。

ネタバレありなんだけど。怪獣映画だからさ…。いいよね?
むしろこの考察を読んでから映画を見てもらいたい。
俺の言ってることが合ってるか間違ってるかは別として、戦闘シーンの解像度が上がると思う。

godzilla-movie.jp

俺たちの見たかった最高の怪獣プロレス


俺たちの見たかった最高の怪獣プロレスがここにある。
なぐる。掴む。噛む。踏む。投げる。吐く。投げ飛ばす。
それを”””明るいお天道様の下で”””やる。
怪獣オタクのみんなの永遠のテーマよね。明るい日の光の下で怪獣の全力勝負が見てえって。

なんせ怪獣映画っつーのはパシフィック・リムにしろ前作のゴジラKOMにしろ、なんだか暗いところでゴチャゴチャやっててよく見えねえんだよな。
平成初期までの特撮は明るいところでやってるけど、着ぐるみプロレスなんて見るに耐えないじゃないですか。 2000年代の謎CG演出とかはもう何も言えん。突飛なことやりゃいいってもんじゃないんですよ。

動きに関しても、昭和ゴジラ、平成ゴジラのいかにも「ヒト入ってます感」がない。
投石。遠距離射撃。着ぐるみ猫パンチ。そういう誤魔化しが一切ない!

明るいところで、それぞれの怪獣が””動物的に動く””。文字にしてみると当たり前とも思えることが実現できてる怪獣映画ってたぶん今までなかったんだよな。

それこそ、本作の2作前に当たる「キングコング 髑髏島の巨神」あたりが初めてきちんとやれた作品じゃないかな。

ただいかんせんあれはコング、最強ゥー!って感じでなんか敵もトカゲの奇形みたいな雑魚だった。「新生キングコング、鮮やかにデビュー!」みたいな。

次のKOMはもう全然ダメで、せっかくキングギドラが出るっつーのに全編嵐の中。
あれ、キングギドラって灰色の怪獣だったっけ?ってなる。見れなくはないんだけど、所々絵が弱くて、見てて悔しさが勝ってしまう。

で本作よ。第1ラウンドは海の上。
何故かコングを空母に乗っけて大艦隊で南極へ輸送してる。艦上でマグロくっちゃったりして。あれこれエメリッヒ版ゴジラ対コングだっけ。(そんなものはない)
なんか途中でゴジラに襲われる。

は?こんなんコング、圧倒的に不利じゃね?
と思ったら、コングさんに惣流アスカ・ラングレーが搭乗する。空母を次々に飛び移り、水の中から現れる使徒(ゴジラ)を迎え撃つ。
艦上の戦闘機をつかんで使途(ゴジラ)に食わせる

でもやっぱり海の上じゃゴジラさんに敵わないのでコングさんは死んだふり。ゴジラさん、大満足で帰宅。
この戦闘をお日様の光の下で見られる。今までの映画だったら、嵐の中で戦って何やってんのかさっぱりわからんって絵になってたと思う。だから本作はサイコー。

第2ラウンドは夜の香港なんだけど、ネオンピカピカで何やってるかがよくわかっていい感じ。
戦闘してる間に夜が明ける。ラスボスのメカゴジラがパイロットの小栗旬を振り払って暴走するんだけど、このメカゴジラがメチャクチャかっこいい
シュィーンキュイーンっていうサウンドがサイコーにクール。
俊敏ながらもメカ的な重厚感を感じさせる動作が性癖に刺さりすぎる。直立じゃないところがデカイよな。


ゴジラとコングが殺し合ってゴジラが勝った後にヒールとして登場し、ゴジラをボコボコにする。
ゴジラさん「一人じゃ勝てないンゴ…。死ぬンゴ…。」
コングさん「呼んだ?」
ってなもんで二人がかりでバラバラに解体するのがアツい。


映画見る前に見たソフビフィギュアは、「キモ、なんだこのメカゴジラ。クソデザインやん。誰も買わんやろ」って思った。

でも映画で動くメカゴジラがバケモン級に強すぎて、「カッケェェエェエェ!!!惚れた!映画終わったらソフビ買うかも!!」って心を入れ替えた。

で、劇場でてソフビ見たらやっぱりキモかったから買うのやめた。

いにしえの怪獣オタクの魂を解放する戦闘

本作に限らず、レジェンダリーの怪獣シリーズは怪獣の戦闘行動が非常に興味深い。
何がかというと、「明確な殺意」がある。

2014年ゴジラの決勝の一手は敵の口を手で開いて放射熱線打ち込み
2017年キングコングの決勝の一手は敵の口に手突っ込んで内臓引きずり出し
どう見ても明確な殺意の下、相手亡き者にしようとしてる。

昭和〜平成のゴジラって、それがない。他にやることがなくて時間稼ぎのためにじゃれてるようにしか見えないんだよな。とっくみあって猫パンチしてラチが開かない感じ。

そういう「本当はもっと動物的で獰猛な怪獣の死闘を見たいんだけど、技術的に難しいのはわかるから、取っ組み合いを賞賛するしかない俺たち」の魂を解放してくれるのが本作。

本作ではゴジラが普段は意外とあんまりしない戦闘行動「噛みつき」を頻繁に行う。これは2体の怪獣を、爬虫類と霊長類に明確に分類した演出だと思う。だってコングは噛み付かねえし。

細かい話だけどこれまでの、「ゴジラってトカゲ型の意味あんの?」とも言われかねない取っ組み合いとは一線を画す演出となってるのは間違いない。

人間だって大人は殴る蹴る、もしくは言葉で喧嘩するけど、加減を知らない幼稚園児なんかは噛み付くじゃないですか。動物的であるってことは歯を武器にするってことだと思う。
本作のコングは道具使ってるけどな。その辺りは割とゴジラとコングで知性レベルに開きがあるのかもしれない。

戦いは動物的である一方で、表情も豊かなんだよな、こいつらは。
明確な感情表現ではないのだけど、なんか悲しそうとか、メチャクチャ怒ってそうっていうのが表情でわかる。度を越すとアニメ的になってしまうのだけど、さじ加減が絶妙。

そういう意味で、レジェンダリーの怪獣はこれまでの「なんか人間が後ろに透けて見える」怪獣と違って、どこまでも動物的でありながら、動物的範囲内で感情豊か、そして”いかにも怪獣的”。リアル感がある。

人間さんのストーリー

人間さんのストーリーは、マジでどうでもいい。
というのは製作陣もわかってるようで、マジで人間さんの話に中身がない。

ここまでスカスカな高予算映画は久しぶりに見た。
地球上で最強の爬虫類と最強の霊長類が戦うっつーのに、虫ケラに構ってる暇ねぇんだわ。それでいいよ。大英断だよ。

人間さん「地球内部の空洞に行きたいンゴねぇ…。せや!コングさんに案内頼むか!」
人間さん「ゴジラぶっころしたいンゴねぇ…。せや!キングギドラの死体でメカゴジラ作っておびきよせたろ!」

あまりに愚か。あまりに軽薄。

人間さんパートは小栗旬がメカゴジラを操作するときに白目むいてアヘ顔になるところが見所だよ。

まとめ

ゴジラVSコングを見ました。ゴジラVSコングを見てください。
書いてるうちに色々気づいて興奮してきたので同じこと何回も書いたりまとまってない部分があると思うけど、許して欲しい。
なんせ魂が解放されたのだから。

KOMみてなんかちげえなあ、って思ったオタク君も、本作は劇場で見ることをお勧めする。

キングギドラ出して、VSキングコングもやっちゃって、次はどうするんだろうな。
ゴジラの息子かな。
それは、ヤだな。

おわり。

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