あの、
野崎まどのメディアワークス文庫6部作を読んでください。
あの、
野崎まどのメディアワークス文庫6部作を読んでください。
これがバケモン小説か
ども、サウナ探偵です。
突然だが野崎まどのメディアワークス文庫6部作を読んでくれよ。頼む。頼むよ。後生だよ。
「[映]アムリタ」から始まる本シリーズ、俺は一気読みしてしまったよ。
なんせバカ面白えんだ。
これほどの読書体験はね、なかなかないよ。
バケモン小説だよ。
「2」だけ背景が黒いってのもイカしてんね。
このシリーズの魅力を知ってくれ
このシリーズは以下の6作からなる。
必ず順番に読むように!
1 [映]アムリタ
2 舞面真面とお面の女
3 死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~
4 小説家の作り方
5 パーフェクトフレンド
6 2
一作目の「[映]アムリタ」でこんな小説ありかよ!と思わせる。続く作品群では次々に予想もつかない、突拍子もないような展開が続く。
読者はなんじゃこれ踊りをしすぎて首の骨が折れて死ぬことになる。
神がかってる女の存在
基本的にこのシリーズには超越的な女が存在する。
例えば「[映]アムリタ」に登場する最原最早(さいはらもはや)。彼女の描いた映画のコンテを、主人公は我に帰るまで丸2日も読みつづけてしまう。
例えば「死なない生徒殺人事件」に登場する識別組子(しきべつくみこ)。女子校の生徒である彼女は、何度死んでも身体を変えて蘇る。
例えば「小説家の作り方」に登場する紫伊代(むらさきいよ)。彼女は一度も小説を書いたことがないのに「この世で1番面白い小説」のアイデアを持っている。
アニメ化もされた「バビロン」の曲世愛みたいな。超越的な女。
そういうの好きすぎるだろ野崎まど。
俺も好き。
コミカルな会話&セルフツッコミ
と、このシリーズ、どれも「頭の中で冗談を言ってセルフツッコミしてるような青年が超越的な女に巻き込まれる」という構図になっている。(パーフェクトフレンドだけはやや異なるが)
パンピー男(=読者のアバター)がメチャクチャ女(美少女)に振り回される。その不条理でありつつも満更でもない空気感。それ。それよ。それなのよ、キョン。
微妙に噛み合ってない会話や、翻弄されるさま、パロディまみれの主人公のセルフツッコミにニヤニヤしてしまう。この辺りは非常にラノベ的というかエンターテインメントしてんなあ。昨今のラノベはこれを意識しすぎてスベってるのとかあるけど、本作はさじ加減が絶妙よね。
そんな定石とも言えるエンタメの構図を持ちつつも、最後には読者をボコボコに殴りつける暴力的で天才的なストーリーテリングがある。
予想できないラスト
読んでる間、さまざまな奇妙要素が散りばめられる。これがラストに収斂する。急激に。突然に。ラブストーリーは、突然に。
ミステリーなのか?と問われればミステリーではないと、言わざるを、得ない。(?)
ではこれはなんなのだ。野崎まどだ。
見方によってはデウスエクスマキナ的に思われるかもしれない。が、そんなことはどうでもいい。だがこれが野崎まどなのだ。おそらく。
読後感はさまざまであろう。
放心か、膝を打つか、はたまた壁に投げつけるのか。
賛否両論とかいうレベルではない。
全てがつながる「2」
ちなみにシリーズと言っているが、1作「[映]アムリタ」から5作「パーフェクトフレンド」まではそれぞれが全く独立した話になっている。
どこがシリーズなんじゃい!全然話繋がらんやんけ!と思うかもしれない。
早く「2」を読んでくれ。話はそれからだ。
「パーフェクトフレンド」を読み終わったらその瞬間に「2」を読みたくなること必至なので、先に買っておくことをお勧めする。
しかしなんだよ「2」って。そんなタイトルあるか。
アベンジャーズ・エンドゲーム
で、その最終作の「2」がとにかくすごい。
それまでの5作を読みきった人に向けたご褒美のような1冊。
0.1章が終わった時の絶望感と高揚感よ。映画見てんのかと思ったわ。
絶望感と高揚感って同時に存在しうるんだな。
ともかく、ぜっっっったいにいきなり2を読んではならない。
面白さが9割減る。
6冊もあって面倒だな〜なんて思うかもしれないけど、そこはクソデカフォントのスカスカページで有名(?)なメディアワークス文庫。スラスラ読めてストレスゼロ。そこが好きなんだよな、メディアワークス文庫はさ(ヨイショ)。
そうでないとしても休む間もないくらい内容が充実してっから。止まるとこ、マジで無いから。
「2」読了後の俺のツイート見てよ。なんか興奮してんね。
2/野崎まど #読了
— サウナ探偵 (@krsw_lapin) 2022年3月28日
アベンジャーズ・エンドゲーム。
面白さがバカすぎる。
前5作がマジで必須。
進化論を下地に創作を解く、これはもはや神話だ。
人間は芸術の奴隷だ。
吉祥寺がエルサレム。
バウスシアターとオデヲンがモデルらしい映画館が降誕の地でありゴルゴタの丘。
人類には早すぎる。 pic.twitter.com/zBRND0dIv0
少年よ神話になれ。
人類には早すぎる
そう、人類には早すぎるんスよ…この小説…。
ごちゃごちゃ脈絡もなく書いてみたけど、コイツ本当に面白かったんだなって空気感が伝わればいいや。
まあとにかくさ、騙されたと思って読んでみてよ。
すんげえよ。
↓今買うなら新装版がいいと思う。
おわり。
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