ワクワクがヤバい
ども、サウナ探偵す。
やっと読めた。「硝子の塔の殺人」by 知念実希人。
著者のツイッターで平面図見てからワクワクが止まんなかったわ…。
まずズバリ、クソほど楽しかった。
これほどにミステリ愛に溢れた作品もなかなかない。
俺は知念氏の作品は「仮面病棟」「時限病棟」しか読んだことがなかったのだけど、本作「硝子の塔の殺人」が著者初の本格ミステリとのこと。
何をもって本格ミステリとするかという議論はさておき。
知念氏のこれまでの著作(何ミステリと呼ぶのかは定かではないが)のファンを本格ミステリ沼に引きずり込むであろう大傑作だった。
おそらく今年の各社ミステリランキングで上位を総なめするに違いない。
間違いなく、今最も読むべきミステリーといえよう。
文庫化を待ってる場合ではない。
硝子の塔の殺人/知念実希人 #読了
— サウナ探偵 (@krsw_lapin) 2021年9月8日
ともすれば同人誌とも受け取られかねないほどのミステリ愛に満ちた一冊。
ミステリを読んでいればいるほど面白い。
綾辻行人の館シリーズは必修。既読の方がより楽しめる、ではなく必修。
日本ミステリ界のターニングポイントとなる一作であろうことは間違いない。 pic.twitter.com/Add72bp6iu
っぱワクワクする異形の館よ
ミステリって緻密でロジカルな謎解きってのも面白いんだけど、いわゆる「新本格」には本能を刺激する面白さがある。
異形の館、クローズドサークル、連続殺人、密室、偏屈ジジイ、ヒステリックババア、変人の探偵、読者への挑戦…etc
まさに垂涎モノ。
中でもやっぱり大好きなのはクローズドサークル。迷路とも見紛う異形の館。山奥に建てられた館に執事やメイドと共に住む偏屈な主人が個性的な人物を集めて行う催し。闇を切り裂くメイドの悲鳴。
あ〜いいっすね〜。
綾辻行人なら十角館にはじまる「館シリーズ」。
島田荘司「斜め屋敷の犯罪」。
アガサクリスティ「そして誰もいなくなった」。
米澤穂信「インシテミル」。
東川篤哉「館島」。
ミステリー小説を読み漁るってのは、最高の館をみつける旅なのかもしれん…。
そんな館めぐりに取り憑かれたミステリ読みに捧げられた最終兵器が、「硝子の塔の殺人」by知念実希人 である。
なにしろこの平面図
何をおいてももまずもうね、この館の構造よ。
平面図でワンパンノックアウトよ。
何も言わずにこの平面図を眺めてくれ。
こんなん見せられた日にはね、読まないという選択肢はもはや存在しないですよ。
7月末に発売予定の『硝子の塔の殺人』ですが、
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) June 6, 2021
連続密室殺人事件の舞台となる『硝子館』はこんな構造をしています。
ミステリファンの皆さん、こういうの好きでしょ?✨ pic.twitter.com/zZpQFnaQxU
すごい!ジャイアントコーン チョコ&ミルクみたい!
各部屋が螺旋階段を軸にして回転したりするのかな!(不正解)
この部屋以外の広大な空き空間を犯人が移動したりするのかな!(不正解)
ワクワクがとまらんでしょ。
ミステリを読んでいるほど面白い
そしてこれはマジの話なんですけど、この作品、ミステリを読んでいればいるほど面白い。
古今東西のミステリの小ネタが散りばめられ、その上根幹に関わってくる。
ミステリの知識があればあるほど面白い。隅々まで楽しめる。
大体の有名どころ作家の代表作を読んだことがある、という程度の知識量でいい。それだけで何倍も本作が輝くことは間違い無いだろう。
とはいえ、本作が初めての新本格という人はそれはそれでサイコーに楽しめる。
世の中にはこんなにも面白そうなミステリがあるのかと、たくさんのワクワクを発掘することができるだろう。
本作はミステリファンからすれば同窓会、ミステリ初心者からすれば歓迎会ともいうべき一冊だ。
ようこそ、ミステリ沼へ。
これを読んでてよかった
そんなわけなので、この本には数々のミステリ界の常識や暗黙のルール、小ネタやウンチクが出てくる。
すでに読んでてよかった〜と思った本を紹介しておく。
読んで無い作品に関しては、それを読んであることが本作においてどうプラスになるかわからんので言及しないでおく。
十角館の殺人(館シリーズ)/綾辻行人
これは読んでてよかったとかいうよりほとんど必修。「硝子の塔の殺人」はほとんど館シリーズを読んだ人を前提に書かれていると言ってもいい。
【全作品紹介】 綾辻行人「館シリーズ」 読む順番 衝撃度ランキング - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ
占星術殺人事件/島田荘司
斜め屋敷の犯罪/島田荘司
そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー
Yの悲劇/エラリー・クイーン
モルグ街の殺人/エドガー・アラン・ポー
まとめ
内容にはあんまり触れてないけど、どんなにこの本を俺が楽しんだか、伝わったと思う。
あらゆる要素が最高の真相に着地する。
ミステリ初心者が感じるであろう高揚感も、
ミステリ中級者が感じるであろう既視感も、
ミステリ上級者が感じるであろう失望も。
間違いなく日本ミステリ界のターニングポイントとなる一冊であろう。
いいね〜、知念氏もこういうの書けるんだなぁ、型通りの「本格ミステリ」もいいね〜
なんて思ってしまったときには、すでに著者の術中にまんまとハマっている。
おわり。
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