表紙は「かげきしょうじょ‼︎」の斉藤久美子先生。
この愛すべきプリンセスに祝福を
ども、サウナ探偵す。
「マリー・アントワネットの日記」by吉川トリコ がなかなか面白かった。
マリー・アントワネットって「パンがなければケーキを食べたらいいじゃない?」とかふざけたことをぬかして民衆にブチ切れられて首切られて死んだ人、くらいのイメージしかなかったけど、本書を読んで印象が変わった。
そもそも個人的に歴史の知識が中学レベルで止まってるので、フランス革命が如何にして起こったかってのも含めてなかなか興味深い内容だった!
でも本質的にはエンタメなので肩肘張らずに読める。
この本を読んだらマリー・アントワネットを愛せずにはいられない!
そんなフランス王妃によるメランコリックハイテンションロイヤルダイアリーが「マリー・アントワネットの日記」だ。
フランス王妃もスラング使うんだな
日記の体をとっているので全編がマリー・アントワネットによる独白。
ハイテンションで現代の若者言葉やネットスラングや顔文字をガンガン使うという新手の語り口が新鮮やね。
現代の女子高生のようなメンタリティで語られる1770年〜1793年までのマリー・アントワネットの半生がこんなに面白いとは!
アントワネットが本当にこういう性格だったんじゃないかって思えてくる。
「ルイ16世は錠前萌えのキモオタ」ってなんなんだよ!
パリ!サイコー!フゥーーーー!!!!じゃねんだわ。
”パンがないならお菓子を食べればいいじゃない”なんてマジで言ってねえから!ってマジで?!
それ言ってねえのかよ。濡れ衣じゃねえかよ。
圧倒的な親しみ
そんな語り口のラフさもあってマリーアントワネットに対する親しみがハンパない。
「マリー・アントワネットの日記」を読みすすめるごとに、アントワネットがソウルメイトとなっていくことだろう。
14歳から始まり、少女から女性へ、母へ、37歳で断頭台に立つまでの彼女の半生の折々に共感せずにはいられない。
女でも母でもないけどそう思ったんだからそうなんだよ。
特にBleu(下巻)の中盤からフランス革命が始まると、アントワネットの味方にならずにはいられない。
実はメチャクチャ裏とってる
こんなおちゃらけた本なので、どこまで史実に忠実なのかと思ったら、参考文献の量が半端ない。
「マリーアントワネットの◯◯」
「フランス革命の〜〜」
「ベルサイユのばら」
…etc
ぱっと見で20冊以上はありそう。
フランス革命に関するありとあらゆる文献を踏まえている。
ふざけた語り口ではあるけど、どうやら内容は確からしい。
ラノベ感覚で読み始めたけど、すっげえ重厚だったわ。文体も軽いし3秒で読み終わると思ったけど結構読み込んじゃって、一般文芸より時間かかったかもしれん。
いやー面白かったわ。一気読みね。
まとめ
「マリー・アントワネットの日記」by吉川トリコを紹介した。
まさに悲劇のフランス王妃。断頭台に登ってなお、最後まで彼女はマリー・アントワネットだった。
世界史ってまともに勉強したことなくて、マリー・アントワネットといえばフランス革命で処刑された人、くらいの認識。フランス革命がなんで起こったのかもよくわかってない。そんな状況で読んでもストーリーに入り込める。
当時を史実に沿って丁寧に描きつつ、極上のエンタメに仕立て上げた怪文書といえよう。(褒め言葉)
ガーリーでコケティッシュで大いなる母。そんなアントワネットと、俺も友達になってみたかったなあ。
おわり。
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