鈴と小鳥とそれから私とサウナ

「ヨモツイクサ」知念実希人 感想&ややネタバレ こういうのが読みたかったんですよ僕ァ!


ウワーーーー!!!!バイオホラーー!!!

バケモン小説

ども、サウナ探偵です。
サイコーのバケモン小説があります。
バケモン級の小説じゃなくて、バケモンの小説です。

「ヨモツイクサ」知念実希人

これ、必読ですよ。
著者曰く、『科学・生物知識で殴る系のホラー』が好きなんだけど最近書く人がいないから自分で書いた
んだってさ!

わかるわー。俺もそういうの大好きだもん。
なんだかよくわかんない超常存在じゃなくて、科学、生物学的な裏付けのある存在。個人的にホラー作品の好き嫌いに直結する要素だわ。

あらすじ

7年前に家族が失踪した佐原茜。
黄泉の存在「ヨモツイクサ」が住むというその禁忌の森でまたしても神隠しが起こる。
捜索隊が見つけたのはヒグマによって無惨な姿にされた被害者たち。

ヒグマを駆除するため、家族の失踪の決着をつけるため、茜は知り合いの凄腕猟師と山に立ち入る。

みつけたのは1トン級のヒグマの死体。

1トン級のヒグマを殺せるのは、1トン級のヒグマしかいない。しかしそんなバケモン級のヒグマが同じ山に2頭いるなどありえない。

じゃあ""何""がこれを…?

ヒグマ系ホラーサバイバルアクション

かと思って読み進めてたら急に前後不覚の地獄に突き落とされた。

序盤→これもうヒグマ絶滅させるしかねえだろ…
中盤→ウワーーーー!!!バイオホラーー!!!
終盤→ア”ア”ーーーーーーーー!!!!

帯にもバイオホラーって書いてあるもんなぁ!そらヒグマで終わるはずがねえよなぁ!

あんま詳しいこと言いたくないからこれだけで読む気になってくれ。


硝子の塔の殺人もクッソ面白かったからな・・・。
著者本人が百パーエンタメ作家だって宣言してるのが信頼度たけぇよ。
www.sauna-detective.com

バイオホラーとは

みんなの感想見てるとファンタジーとカテゴライズしてる人もいる。たしかに異形すぎて現実と地続きとは感じられない人もいると思う。

が、これは明らかに科学のホラーだと思う。

科学の範疇で、どれだけ荒唐無稽なバケモノを描けるかという挑戦に思える。「絶対にいないって断言できるけど、""あり得なくはない""」みたいな。科学的な辻褄は確かにあってる、みたいな。その匙加減。


バイオホラー新定番

こういうの、待ってたんだよ。

著者が言うには、「ヨモツイクサがおもしろかったらこれも読んでみて!」
とのこと。その3冊はこちら。

貴志祐介「天使の囀り」
キモすぎ【天使の囀り/貴志祐介】しばらく生モノが食えなくなるバイオホラーミステリー - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ

高野和明「ジェノサイド」
アドレナリンが全部出た【ジェノサイド/高野和明】今世紀サイコーのエンタメ小説、アドレナリンが枯渇、ハリウッド映画化はよ! - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ

梅原克文「二重螺旋の悪魔」
「二重螺旋の悪魔」by梅原克文 感想 上巻がマジでゴッド級にクソ面白い ちょっとネタバレ - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ

偶然にも(?)全て既読な上に個別記事まで書いてある。
これはさぁ、期待しかねえよなぁ!

知念氏は子供の頃から二重螺旋の悪魔が大好きだったとのこと。
実際読みながら、こういうの書きたかったんだろうなぁってニヤニヤしてしまったわね。

しかし多才やわ。医療ミステリの人だと思ってたから度肝ぬかれたわね。

まとめ

知念実希人「ヨモツイクサ」を紹介した。
いやはや、これは好きな人は超好きなやつだよ。

「硝子の塔の殺人」の時も思ったけど、知念氏はこうこれまでの定番をフォローしつつも独自の作品に仕上げるのがすごくうまい。
同人誌のようでもある。これは悪口じゃなくて、「好きが溢れすぎてる」のがありありとわかるというところが。

ミステリの範疇を超えた守備範囲を見せてもらって、次はどんなのがくるのかワクワクやね。


おわり。