この表紙手に取らねえだろ。
ワクワクしたい奴あつまれ
小説を読んでワクワクしたい。
ページがしわくちゃになるほど手に汗握る大冒険がしたい。
そんな本を探していたら出会った一冊「二重螺旋の悪魔」by 梅原克文。
ワクワクが半端ねえ!
文庫版も表紙はおどろおどろしい。そしてなぜホラー文庫なのか。
あらすじ
バイオベンチャー「ライフテック社」を訪れる”C”担当調査員 深尾直樹。
ライフテックのP3実験室で凄惨な事故が起こっており、完全封鎖されていたのだ。
「これはバイオハザードではない」(つまり細菌やウイルスではない)と宣言しP3に足を踏み入れると研究者たちのバラバラ死体が散乱していた。
実験室を探索し、ついにエンカウント。この世のものとは思えない異形の生命体に…。
人間のイントロンから呼び出された悪魔ともいうべき宿敵
マイクロマシンにより新たな力を獲得したUB(アッパー・バイオニック)人類
両者の存亡をかけた戦いが始まったのである…。
みたいな話。
生物学の造詣がヤバい
DNA、RNA、レトロウイルス、イントロン、逆転写、カルス…。
これ生物学の造詣が全くない人、意味わかんの?!
イントロンなんて言葉知ってる人、この世の10%もいねえだろ。
って思うじゃん?
そんなんわかんなくてもクッソ面白えから安心してくれ。
わかりそうもない大事なところは丁寧に、話の腰を折らずに教えてくれる。
教えてくれないところは大して理解しなくても大丈夫ってことだ。
ただ知ってるとニヤニヤポイントが増える。
よくできてんなあって感心できる。この辺のさじ加減は分かってなきゃ書けねえよな。
人生1に迫るおもしろさの上巻
で、上巻がね、マジでバキバキに面白い。
3章構成で上巻は1、2章なんだけど、この1、2章がマジで最高なのよ。
1章では本作の敵が登場するんだけど、そいつは宇宙から来る訳でも海底から来る訳でもねえの。
人間のDNAから出てくんの。
DNAってクソ長い鎖みたいなもんなんだけど、髪の毛の色を決めたり肌の色を決めたりする機能を持ってる部分と持ってない部分があんの。つまりムダな鎖があるんだな。
このムダな鎖をバイオ科学者が無理やり読み解くと、それがバケモンの設計図だったって訳なんよ。
ムダな部分だと思ってたところに宿敵が封印されてた。何も知らない人間ちゃんが興味津々で調べてみたらバケモンを現代に呼び戻しちゃった。
天才博士「このムダな配列には意味があるはずだ!読み解いてみよう!ギャーバケモン!」
面白すぎん?
んで2章の「人類の進化」ともいうべき対抗手段の獲得過程もまたワクワクすぎる。
強い武器を作るんじゃない、これも答えは人間のDNAの中にあったんすわ…。
神が人類に与えしパワーアップのメカニズムが。
俺は今まで読んだ本の中で「ジェノサイド」by高野和明が1番面白いと思ってるんだけど、正直「二重螺旋の悪魔」の上巻を読了した時点で、これジェノサイド越えたんじゃねえか?と思うほどクッソワクワクした。
この壮大な物語、下巻はどうなっちまうんだよって。
下巻はやりすぎ感
で、期待値カンストで下巻を読み始めた。
下巻はちょっとハリウッドすぎかな、という感じが。
上巻の「突飛ではあるがギリギリ納得できるレベルのリアルSF」を超えて、ファンタジー、神話の領域にまで行ってしまった。
こんだけ生物学と情報工学のエッセンスを散らしといて、なんでオバケ大戦争になっちゃうの?!って。あと締め方も気に入らん!!!これは好みの問題だけど。
読んでる間はメチャクチャ面白かったんだけどね…。
まあ読んでて楽しいのは間違いないんだけど、細かいとこ気にしだすとキリがなくなる。
結論としては、またも「ジェノサイド」を超える小説には出会えなかった。
っつってもバカ面白えのはマジ
そういう細かいところ抜きにしても、”””エンターテインメント”””としてはマジで最高。
だからみんな読んでくれ。
特に上巻。マジでガチガチのジェットコースターよ。
これで楽しめなかったら何も楽しめねえだろ。
と、太鼓判を押しておく。
でもラストは気に入らんのだよ!!!!
まとめ
「二重螺旋の悪魔」by 梅原克文 を読んで興奮して感想とか書いてみた。
なんだかんだ言っても、こういうのクッソワクワクするしサイコーにおもしれーよ。
なんでこれそんな評価されてないの?知る人ぞ知る名作…みたいな感じよね。
読む本が全部これくらい夢中になって楽しけりゃいいんだけどなー。
おわり。
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