ウワーーーーー！！！！
翡翠ーーー！！！！
俺もハーブスのミルクレープは大好きだァァァァ！！！
待望の城塚翡翠シリーズ初長編
ども、サウナ探偵です。
しれっと発売された「invert II 覗き窓の死角」by 相沢沙呼
mediumのインパクトの割にどうもメディアミックスされずにいた本シリーズ。
発売から3年、シリーズも3作目にしてようやくドラマ化やら漫画化やらでジワジワと再燃してきててワクワクしてきたな…！
ほんでこの3作目は中編と長編が1発ずつ。長編の「覗き窓の死角」は約300頁。文庫なら400頁級。読み応えは確かなものだったわね。
3作目にしてなんと長編ですよ長編。
うれしいですね。翡翠ちゃんの長編が読みたかったんだよ俺ァ。
メイントリックに繋がるネタバレはしないのでご安心を。
城塚翡翠の新たな一面
を垣間見ることのできる一作だった。
本作、やっぱり本格ミステリの皮をかぶったキャラ小説やね。
つってもストーリーがお粗末とかいう話ではなくて、キャラクターメイキングが素晴らしいっつー話。
その本心をほとんど見せることなく得体の知れないミステリアス女として終わったmedium。
助手の真ちゃん視点が入ることで日常が語られるも、やはり超越的な女性という印象のinvert。
そして今作invert II。
視点はやはり犯人、または真ちゃん。城塚翡翠の一人称視点で本心が語られることは皆無である。
しかし本作では「新しくできた友人が殺人犯」という状況が、城塚翡翠も""1人の若い女性である""ということを演出する。
倒叙だからこそ生きる城塚翡翠みがある
城塚翡翠氏、倒叙モノと非常に相性がいい。
何故ならば彼女は足で手がかりを集めるタイプでは無いからだ。
彼女の推理スタイルは、ある程度犯人であるとアタリのついた人物に対し、会話により嘘や表情を見極めるというもの。
いわば「鬼のような観察力」によるものだ。
いわゆる本格ミステリのように、最後に探偵がみんなを集めて犯人指摘のような展開ではなく、早い段階からジワジワと犯人を追い詰めていく。
ということは、原理的に読者には序盤から犯人がわかってしまう。
この推理スタイルが変わってしまえばもはや城塚翡翠である必要がなくなってしまうのだ。
前作「invert」の時に随分とこの倒叙であることに批判があったようだが、それは城塚翡翠というヒロインを理解していないと言わざるを得ない。
翡翠氏、もっといじめてくれ
そんな本作は倒叙であることを最大限に生かした作りになっている。
これは城塚翡翠の持ち味でありつつ著者相沢沙呼氏による演出なのだけど。
読者へのヒントの匂わせ方が非常に小憎たらしい。
バーベキュセットに見せかけた練炭自殺セット
→わかる。わかるよ。
目貼り用のガムテープが無い。
→うん気づいてた気づいてた。
で？？？？？
こんだけ違和感に"""絶妙に気づかせる"""つくりになっているのが非常にニクい。
読者にはかなりの部分をわかった気にさせておいて、実は全然わかってなかったことを突きつける。
やっぱりこう、城塚翡翠シリーズは地獄に突き落とされる瞬間がないとね。それをね、楽しみにしてるとこあるから。
invert "II"の意味するところ
medium、invertときて次はどんな単語かと思いきや、まさかの「invert II」。
どうやら城塚翡翠シリーズの倒叙モノはinvertというシリーズになる模様。
つーことはさ！倒叙じゃないのも出るってことやんな！それはワクワク。
倒叙モノも面白いんだけど、やっぱりインパクトという点ではmediumに負けてしまうからね。
作者的には驚きよりもロジックの面白さを追求したいみたいやけど（Twitterで言ってた）。
もうふつ〜うのド定番のクローズドサークルなんかもやってほしいすね。城塚翡翠がいればそれは唯一無二になるはずでしょう！
でもまあなにが出てきてもうまいうまいと言いながら食うだけっすよ、俺は。
まとめ
あんまり本編の感想言ってないけど、結論面白かったわ。
本作で、「城塚翡翠は、原理的に倒叙モノが1番合ってる」ということに気づけたのがかなり収穫だったと思う。
とはいえ次はね、倒叙じゃないのも読んでみたい。
もう「名探偵・城塚翡翠」が成り立ってっからね。こっからなら何やったってOKよ。
ともあれ次も楽しみだわ。また一年後くらいかな？
おわり。
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