こういうの、好きなんですよ…。
す、好きなヤツ〜!
ども、サウナ探偵です。
電撃文庫5月の新刊「浮遊世界のエアロノーツ」by森日向 を紹介しよう。
表紙が気になりつつも何回かスルーしてたんだけど、いざ読んでみたらあ〜!これ好きなヤツです〜!となった。
これこそロードノベル、いや空路ノベルだな(そんな言葉はない)。
浮遊世界のエアロノーツ/森日向 #読了
— サウナ探偵 (@krsw_lapin) 2021年6月19日
旅モノ連作短編。
キーワードは浮遊島、干渉力。
ロードノベルの言わば定石な作りで、訪れた先で事件に巻き込まれ、解決して次の島へ、という繰り返しの構造。
割と平凡かと思いきや最後にぶっ込んできて次も楽しみになっちまったわね…。
3話が好きだったな。 pic.twitter.com/goDFSTRD68
あらすじを要約してみる
舞台は大地が失われた世界。人々は空に浮かぶ浮遊島に住み、飛空船で島々を行き来する生活を送っている。
記憶を失った少女アリアは、飛空船乗りの泊人(はくと)に拾われ、両親を探す旅を続けていた。
数千人に1人現れる、「干渉力」と呼ばれる超能力を持つアリア。制御できない力で人に迷惑をかけることに怯え、自分に自信をもてずにいた。
そんなアリアは泊人とともに様々な島を訪れ、様々な人と交流することで成長していく。
という話。
既視感はあれど唯一無二
なんとなーくどっかで見たことがあるような話。
いわゆる旅モノ、ロードノベル。というジャンルなので仕方がないというか、むしろどっかで見たことあるような方がいいのかも知んないけど。
筒井康隆「旅のラゴス」とか、白石定規「魔女の旅々」とかに似た読み味。「キノの旅」に似てるなんていう人もいた。
旅先での出会い。事件が起こり、解決。そして別れ。次の島へ。旅は続く。
みたいな。
ともすれば埋もれてしまうありがちな話ではあるのだけれど、本作を唯一無二たらしめている要素がある。
キーワードは「浮遊島」と「干渉力」
この2つがこの作品のアイデンティティを形づくる要素になってくる。
海でもなく、道でもなく、空の旅。
ラピュタがいっぱいある、みたいなイメージかな。
空を旅する話ってまあそこそこあるけど、この話は""大地がない""ってのがセンセーショナルだよね。完全に空が世界の全体なんだな。
「干渉力」ってのもめずらしい設定
魔法じゃねえのよ。干渉なの。なんでもできるわけじゃない。
干渉力を持つ人それぞれ内容は違っていて、アリアの場合は「風を操る力」。
この風を操るってのが舞台が空なのと絡んできて話が面白くなる。
すごいのは、この浮遊島、干渉力って設定が、4つある短編でそれぞれキチンと生きてて、かつ話が進むごとに存在感を増してくるってとこなんだよな。
個人的には3話の「繰り返しの島」が抜群に良かった。
ラストのヒキが抜群すぎて次も読むの確定
で、なんやかんやで干渉力もうまく操れるようになったり、両親のこともわかったりして、「あれ?!これもう終わり?一巻完結なんだっけ?!」なんて思わせといて、ラストにガッチリ読者を2巻へ誘うエサが撒かれてる。
こんなん次も読むしかないじゃん…。
ワクワクさせすぎでしょ…。
まとめ
とまあ色々御託を並べてみたものの、「あ〜好きなヤツです〜!」って感じなのでなんでもいいわ。既視感があろうとなんだろうとなんだっていいんだよ。
そこは感覚よ。フィーリングよ。
まあ俺はジャケ買いだったんだけどさ、中身もバッチリだったから是非みんな読んでくれ。
おわり。
この記事を気に入っていただけたら、Twitterフォロー、はてなブックマークお願いします。
Follow @krsw_lapin
他の記事