鈴と小鳥とそれから私とサウナ

森日向「浮遊世界のエアロノーツ」感想 読み心地抜群のロードノベルが幕を開けた!

こういうの、好きなんですよ…。

す、好きなヤツ〜!

ども、サウナ探偵です。
電撃文庫5月の新刊「浮遊世界のエアロノーツ」by森日向 を紹介しよう。

表紙が気になりつつも何回かスルーしてたんだけど、いざ読んでみたらあ〜!これ好きなヤツです〜!となった。

これこそロードノベル、いや空路ノベルだな(そんな言葉はない)。

あらすじを要約してみる

舞台は大地が失われた世界。人々は空に浮かぶ浮遊島に住み、飛空船で島々を行き来する生活を送っている。

記憶を失った少女アリアは、飛空船乗りの泊人(はくと)に拾われ、両親を探す旅を続けていた。
数千人に1人現れる、「干渉力」と呼ばれる超能力を持つアリア。制御できない力で人に迷惑をかけることに怯え、自分に自信をもてずにいた。

そんなアリアは泊人とともに様々な島を訪れ、様々な人と交流することで成長していく。

という話。

既視感はあれど唯一無二

なんとなーくどっかで見たことがあるような話。
いわゆる旅モノ、ロードノベル。というジャンルなので仕方がないというか、むしろどっかで見たことあるような方がいいのかも知んないけど。

筒井康隆「旅のラゴス」とか、白石定規「魔女の旅々」とかに似た読み味。「キノの旅」に似てるなんていう人もいた。

旅先での出会い。事件が起こり、解決。そして別れ。次の島へ。旅は続く。
みたいな。

ともすれば埋もれてしまうありがちな話ではあるのだけれど、本作を唯一無二たらしめている要素がある。


キーワードは「浮遊島」と「干渉力」

この2つがこの作品のアイデンティティを形づくる要素になってくる。

海でもなく、道でもなく、空の旅。
ラピュタがいっぱいある、みたいなイメージかな。
空を旅する話ってまあそこそこあるけど、この話は""大地がない""ってのがセンセーショナルだよね。完全に空が世界の全体なんだな。

「干渉力」ってのもめずらしい設定
魔法じゃねえのよ。干渉なの。なんでもできるわけじゃない。
干渉力を持つ人それぞれ内容は違っていて、アリアの場合は「風を操る力」。
この風を操るってのが舞台が空なのと絡んできて話が面白くなる。

すごいのは、この浮遊島、干渉力って設定が、4つある短編でそれぞれキチンと生きてて、かつ話が進むごとに存在感を増してくるってとこなんだよな。

個人的には3話の「繰り返しの島」が抜群に良かった。

ラストのヒキが抜群すぎて次も読むの確定

で、なんやかんやで干渉力もうまく操れるようになったり、両親のこともわかったりして、「あれ?!これもう終わり?一巻完結なんだっけ?!」なんて思わせといて、ラストにガッチリ読者を2巻へ誘うエサが撒かれてる。

こんなん次も読むしかないじゃん…。
ワクワクさせすぎでしょ…。

まとめ

とまあ色々御託を並べてみたものの、「あ〜好きなヤツです〜!」って感じなのでなんでもいいわ。既視感があろうとなんだろうとなんだっていいんだよ。
そこは感覚よ。フィーリングよ。
まあ俺はジャケ買いだったんだけどさ、中身もバッチリだったから是非みんな読んでくれ。

おわり。

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