鈴と小鳥とそれから私とサウナ

2022年8月の面白かった本まとめ

8月に読んだ本

ども、サウナ探偵です。


8月はなんだか当たりが多かった気がする。
個別記事書いてるのも結構あるので気になった方はそちらもどうぞ。


それでは挙げていく。

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから/斜線堂有紀

やっぱり斜線堂有紀はMW文庫作品が合うみたい。恋に至る病は面白かったけど楽園とは〜は合わなかったので。 納得できないオチと思いきや綺麗な一作やった。このラスト以外はない。

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「夏の終わりに君が死ねば完璧だったから」by斜線堂有紀 ネタバレ感想&考察 身体が3億円の純金に変わる - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ



赤い砂/伊岡瞬

お蔵入りになってたデビュー前の作品が、新型コロナで日の目を見たとのこと。 個人的には伊岡作品の中では「代償」に次ぐおもしろさかもしれん。 ウイルスモノなのに感染拡大も大混乱もなく、あくまで社会派クライムミステリの枠内であるというところが新鮮。



心音/乾ルカ

もし飲み会に向かう電車の中で読んだら、目的地の駅のホームのベンチで最後まで読んでしまい飲み会が終わると思う。 というくらい引き込まれた。 てか心臓移植受けた子がこんな仕打ちを受けることある??それが不思議だよ俺は。この、渦中の人物の人生を他者が連作短編方式で語る形式には、早見和真「イノセント・デイズ」を思い出した。 こういう幸薄の子が他者からの悪意に晒される話好きすぎる。

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「心音」乾ルカ 感想&考察 手に入れたのは奇跡か絶望か - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ



竜殺しのブリュンヒルド/東崎惟子

変に美談にならず徹頭徹尾復讐譚であるところが非常によい。 あとがきの通り、作り方からして作者が登場人物を生かしてるのがわかる。やりたい場面があってそれに向けてビルドした感は全くなく、見事。 この著者は好きかもしれん。次回作があるなら楽しみ。

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「竜殺しのブリュンヒルド」東崎惟子 感想 果たすのは、愛する人の信念か、愛そのものか - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ



琥珀の秋、0秒の旅/八目迷

このシリーズ恒例の、ちょっとSF本質はアイデンティティ獲得のストーリー。 八目氏の作品は、自分の思い込みの正義と、相手の価値観の真意との相違、みたいな流れが必ずあって、俺はそれがすごく好き。 本作では3章がそれにあたる。全体の流れは、全ての時間が止まった世界で、動ける2人だけが函館から東京まで歩くという所謂ロードノベル。 ラストのあっさり感は好みが分かれそう。特に八目作品初読の人には。 SF要素の曖昧な部分は残す作風はわかってるので特に気にならない。 やっぱり「ミモザの告白」で一皮剥けた感あるなあ。

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「琥珀の秋、0秒の旅」八目迷 感想&考察 止まった時を旅する少年少女の相互理解 ちょっとだけネタバレ - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ



また、同じ夢を見ていた

かしこいけど知識は年齢なりな少女の、無邪気な視点から捉える世界が良い。 子供の言葉で表現されていても、大人が読めば違う意味がわかる。 自分は周りよりも賢いと思ってるけど、他者の発言には素直というところが大変かしこい。 これは良い小説を読んだ。



そして、バトンは渡された

なんて最高の大団円。優しさしかない物語。心の洗浄。かなり好きな小説。 この、メインストリームの時間軸があって、回想が語られる方式、好きだな。 森宮さんの宇宙人感がたまらん。 ほんで解説の上白石萌音、いい文章書くなあ。スゲェ文才だわ。

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「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ 感想 これほどに満ち足りた小説があるか。 - 鈴と小鳥とそれから私とサウナ




おわり。

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